新蔵企画展「山中家資料の世界」
2020.8.19
◆内容
型紙産業の発展は、江戸時代中期以降、紀州藩の保護を受けたことによります。宝暦3(1753)年に成立した白子形売仲間(株仲間)は、紀州藩に冥加金を納めるかわりに、絵符・鑑札・通り切手の特権を受けることで全国に販路を広げ、市場を独占していきました。
しかし、明治維新後は、株仲間が解体し、それまでの商業形態が崩れ、型紙業界は危機的状況を迎えます。型紙商人たちの近代は、生き残りをかけた試行錯誤の連続でした。
鈴鹿市文化財課の郷土資料室には、明治維新で株仲間の特権を失い、近代化の煽りを受けながら、型売り商人として伝統技術の継承に粉骨砕身した山中家(当主である重兵衛や弟の小林喜蔵、及び重兵衛の子息)宛の葉書や書簡6862通が大切に保管されています。そこには、明治から大正時代の世相や事件、気象や災害にまつわる生の記録や、旅や商いの苦悩、切実な親心などがダイレクトに記されています。今回の企画展では、それらの資料の中から一部を紹介したいと思います。
■期間 令和2(2020)年8月20日(木)~令和3年1月17日(日)
⇒会期延長します 2月14日(日)まで
■場所 伊勢型紙資料館 新蔵
■時間 10時00分~16時00分 休館日は月曜日・火曜日・第3水曜日
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■展示資料 山中家寄贈型紙 9点
萬値段帳など帳面類
通り切手 鑑札 など 計33点