【終了しました】ミニ展示コーナー 「伊勢暦」について
2016.10.20
大黒屋光太夫記念館では、現在ミニコーナーで「伊勢暦」について展示を行っています。
江戸時代、この地方の廻船のほとんどは伊勢神宮の御札を納めた神棚を積んで航海していました。
光太夫たちが乗っていた神昌丸にも、伊勢神宮の神棚が積んでありました。また、光太夫が帰国から十年後に帰郷した際には、伊勢神宮への参詣をとくに願い出て実現しています。このように、光太夫の伊勢神宮への信仰は厚いものがありました。そして、この神宮への信仰心は、当時の人びとに共通するものでもありました。
「伊勢暦」は、厚い信仰を受けた伊勢神宮の御札と共に、御師によって全国に配られた賦暦(ふれき)です。生活に密着した暦として大変便利だったために喜ばれ、全国で配られた暦の約半数を占めていたともいわれています。
今回は、安政7年(3月に万延元年に改元)の「伊勢暦」とその版木を展示しました。版木は横浜市在住の椎橋文雄様からお借りしました。大量に配られた「伊勢暦」ですが、摺り終った版木は、表面を削られ別の版木へと再利用されたり、古材として火鉢や煙草盆などの材料へと転用されたりして、元の状態のまま遺されている例は少なく、大変珍しいものです。
この機会に是非ご覧ください。